2007年度 作りかけ及び未発表作品

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2007年度作りかけ及び未発表作品

いずれちゃんとした形でページを作りますが、今年の納めとして未発表のものをまとめました。

 ■ANA−2 オーディオネットワークアナライザー
 ■100円ラジオのバーアンテナで電波時計
 ■標準電波(JJY)でつくる基準周波数源
 ■6点温度計


■ANA−2 オーディオネットワークアナライザー

ANA-2 基板写真

ANA−1にアンチエイリアシングフィルターとUSBインターフェース(AVR−CDC)を追加したものです。 秋月の片面ガラエポ基板(95x72)にほとんどすべての回路を実装しました。
使っているのはdsPIC30F2012(写真ではソケットのみ)+NJM4580x2+ATTINY45(写真ではソケットのみ)です。 dsPICからDAC(R−2R、8ビット)を経た信号は外付けATT(0〜−50dB)を通ってNJM4580のバッファー、アンチエイリアシングフィルター(Twin−T+多重帰還形フィルター)を通り出力端子に出力します。 入力端子から入力された信号は外付けATT(0〜−10dB)をとおり可変ゲインアンプ(0〜40dB)に入りアンチエイリアシングフィルター(Twin−T+多重帰還形フィルター)を通ってdsPICのAN9に入ります。 あとはdsPICでAD変換し、ベクトル検波(サインとコサインを掛けて足し算する、DFTみたいなもの)してゲインと位相を計算し、シリアルで出力します。 シリアルで出力された信号はATTINY45でUSBに出力します。
今はdsPICとATTINY45の両方に12MHzの水晶がついていますが、そのうち1個に減らす予定です。

ANA-2 配線図

基板を作るときはこのような実体配線図を作っています。 行き当たりばったりでつくると大抵一部だけが混んだりします。 ある意味プリント基板を設計しているようなものです。
実体配線図ができると部品を実体配線図で示すとおりの場所にさしていきます。 まず背の低い部品(抵抗とかジャンパー)を全部挿したらクラフトテープ(100円ショップで3巻100円)で落ちないように貼り付けてから半田付けします。 足はすべて半田のすぐ上(余分な足を残さない)で切ります。 よく抵抗の足で配線するように書いてありますが足を曲げて配線するとあとで部品を変更したいときに苦労します。 順次大きい部品をつけ、すべて半田付けしたあと0.5mmのスズメッキ線で配線をします。

あと回路図は手描きでよいので必ず描きます。 どんなに簡単な回路でも頭の中だけというのは良くありません。 実験しているうちに回路を変更することもよくありますが、そのときは必ず回路図も変更し、回路図と実物が常に一致しているようにします。 うまくいかないときに回路図をみて原因を推定しますが、実物と一致していない状態では何をやっているか分からなくなります。


■100円ラジオのバーアンテナで電波時計

電波時計基板写真

100円ラジオで電波時計の続きみたいなものです。
NJM4580で80dBのアンプをつくりHC4053で周波数変換しATMEGA8で検波しました。 ゲインが足りないためかPCのノイズのためかうまく条件が合わないと受信するのは難しいようでした(数回に1回程度成功)。 スレッショルドを計算で求めていますが2乗のままなのでうまくいっていないようです。 あとなんらかのAGC回路が必要と思われます。

ブレッドボードの配線に使っている線材は、いらなくなったプリンタケーブルからとった線材にピンヘッダーのピンを半田付けしたのち熱収縮チューブをかぶせたものです。 買うと意外と高価なものですが自作すればほとんど只みたいなものです。


■標準電波(JJY)でつくる基準周波数源

標準電波基準周波数源基板写真

上の電波時計をつくっていて思いついたのがこれです。
標準電波(40KHz)を使った基準周波数源はいままでにいくつかの製作例がありますが、たいていPLLを使って正確な10MHzを出力するものです。
しかしほしいのは周波数カウンターなどの校正用信号なので、内部発振器(TCXO 12.8MHz)の正確な周波数がわかればいいのではということで作ってみました。 内部発振器で動作するATMEGA8で標準電波(40KHz)の位相のずれを測ることで間接的に内部発振器の周波数を高精度で測定しようというものです。
バーアンテナ(鈴商で買った長さ11cmのもの)からの信号は2SK241(右上)の差動アンプに入ります。 差動アンプの出力は455KのIFTを40KHzに同調させたもの(0.022を並列にいれた)で、その出力をNJM4580で40dB増幅したのちもう半分のNJM4580の可変ゲインアンプ(0〜42dB 6dBステップ)をとおります。 その後TC4W53(基板裏についている)で約3KHzに周波数変換します。 NJM4580の差動アンプで受け、NJM4580でつくったLPF(3KHz Q=3.5)を経てATMEGA8でA/Dし、DFTで位相を検出し内部発振器の周波数を計算します。

標準電波受信結果データ

これは実際に受信したデータで、濃い青が振幅、赤が位相です。
標準電波は簡単に言えば振幅100%と10%の振幅変調で、デューティ80%(0.8秒)の部分がビット0、デューティ50%(0.5秒)の部分がビット1、デューティ20%(0.2秒)の部分がマーカーです。
信号の100%振幅部分の位相は検出できていますが10%部分ではS/Nが悪く使えないようなので100%振幅のときの位相データだけから位相の長期変化を検出し周波数を推定します。 上記グラフの4秒の位相変化からTCXOの周波数を推定すると12800011Hzとなりました。 ただし位相誤差が±10度ぐらいありそうなので周波数誤差としては±2Hz程度になります。 位相の変化をたとえば80秒間で測れば誤差は1/20になり±0.1Hzとなります。


■6点温度計

6点温度計基板写真

新しいPCケースを木でつくりました。 早速内部温度を測ろうとしたのですが温度計が1個しかなく1箇所しか測れないのでこれをつくりました。 これでCPU、ノース、サウス、電源など複数個所を一度に測れます。
ATMEGA48でつくったAVR−USBに6個のLM35Dをつけられるようにしたものです。 TL431で2.5Vの基準電圧を作ってArefにいれています。 LM35DはSOP8パッケージのものでパスコンをICの裏につけ線材を半田付けしたあとホットグルーでLM35Dの表面以外を覆いました。
いまはPCを接続することを前提にしていますが、LCDをつけてスタンドアローンの温度計にもなるように改造予定です。


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